インド人とおざわ

 

 

 

友人と待ち合わせのために、新潟駅前で佇んでいたら男の人に声をかけられた。インド人だった。

 

 

 

 

彼は拙い日本語で、申し訳なさそうな顔して「ココ、イキタイ」と写真を見せてきた。彼はどうやらLOFTに行きたいらしい。連れて行ってあげたいけど、待ち合わせがあるし、どうしようとインド人とおざわ、ふたりで困っていたら友人から電話が。

 

 

 

予想外まさかの今起きましたコール。普段だったら怒っていたけど今日はまた別。なんならタイミングはとてもバッチリなので、心の中で褒めながら一応ちょっと怒ったフリをしたりしてみる。そして、ねぼすけさんに事情を説明して、インド人とLOFTに行くことにした。(友人は今起きたとは思えないくらい腹から笑っていた)

 

 

 

私の車で移動しながらLOFTで何が欲しいのかと聞いたら、小学生の娘にメッセージカードを頼まれたそう。娘の友人が誕生日なんだって。かわいいおつかいだなあと思いながら、娘の写真を見せてもらったり、たわいもない話をした。娘はお母さん似らしくとてもかわいらしい子だった。「ママに似てるの?」と聞いたら「ソウ、ママ デ ヨカッタ!」と爆笑していたので一緒にゲラゲラ笑った。

 

 

LOFTに着いてまっすぐメッセージカード売り場に案内して、わたしも時間があるので一緒に選んだ。かわいいねなんて言いながら音のなるメッセージカードとか、飛び出すメッセージカードとか(今色々あるんだね)どれがいいかなって選んでるインド人の顔はとてもかわいらしくて、娘への愛を感じました。ママ似の娘、よかったな。

 

 

 

満足そうに何枚かメッセージカードを購入したインド人。帰りは一人で帰れると言うので簡単に道を教えて解散することに。インド人はずっとアリガトウ、アリガトウとわたしの手を握っていてとっても嬉しそうだった。娘も喜んでくれるよ、きっと。

 

 

友人もそろそろ着くとの事だったのでお別れして、迎えに行こうとしたら「コレ!」とインド人が何か渡してきた。よく見るとさっき買ったメッセージカードで(かわいいって言ったから買ってくれたのかな)なんて思いながら、わたしもインド人の真似をしてありがとう、ありがとうと言いながら彼の手を握った。

 

 

ふたりでブンブン手を振りながら別れて、ひとりになってからメッセージカードを開く。わたしがかわいいと絶賛した飛び出すメッセージカードで、中にはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全部嘘です」